トライアングル 9
(冗談は会社の潤滑油である)からの続き
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その晩チーフのマンションに電話を入れる、「今晩はそちらに行きません、皆に嘘を言った手前,気が引けて、行きにくいです、明日一度北海道に帰ったらどうですか、そのほうが私も気が休まります」
『分かりました明日帰ります』
「帰ってきたら電話ください、向こうではゆっくりして命の洗濯でもしてきてください、連絡はパソコンにメールください、来週から中国の工場に出張します、当分会えませんが、お元気で、」
『中国から帰ってきたら必ずマンションに来て下さい』
「再来週には必ずいきます」と言って電話を切った。
チーフの悲しそうな、声に何故かイラツキをおぼえた。月曜日、会議の後カポネとトンちゃんミキちゃんを残してこれからの打ち合わせに入る。
大体の手順について割り振りを決める、新人も以外に優秀な人材が集まったようで安心していると告げると、カポネは鋭い顔で私を見て、直ぐにトンちゃんの方を見直して「チーフはあまりにも優しすぎた、あれでは人は育たない、」
トンちゃんが怪訝そうな顔で『最近の子は怒ってもダメよ、下手に怒るとやめちゃうわよ』
カポネがあきれたように、『会社の給料が安いと怒れなくなるがこの会社の給料はその辺の一流会社より高い,少々怒ったくらいで絶対やめない、もしやめても補充が直ぐにできるそのために給料を思い切って高くしたのよ、ねー社長」と言って私に同意を求めた。
「確かにカポネの言う通りだね、しかし私はそこまで考えていなかった、」
『じゃーどうしてこんなに給料を高くしたのよ』
「この会社は残業代がつかないから、残業込みの給料にしたの」
『でも誰もあまり残業しないじゃないの、』
「ところでカポネは何が言いたいの」
『トンちゃんとミキチャンに御願いしたい、私が居なくなったらこの会社に鬼軍曹がいなくなる、それではこの会社はもたない、トンちゃんは私以上の鬼軍曹になってください、人は怒られて成長します、新人達が成長しないと会社も大きくなりません、社長もやさしすぎます、』
私は思わずに軍人のように敬礼して「了解」、トンちゃんもおどけて「イエスサー」と敬礼した。カポネは大げさにため息をついて、『本当に私がいなくて大丈夫かしら』
「ところでカポネ将軍、今週でも中国の工場に視察に行ったらどうですか、」
『早いほうがいいので金、土と行って来ます』
「せっかく中国に行くなら勉強のために北京まで足を伸ばしてもいいですよ、観光を入れるなら、木曜日から行って日曜日にかえってこれるようにしたらどうですか」
『うれしー、私だけいい思いして申し訳ないです』とトンちゃんとミキチャンのほう見て、『いいかな~』
トンちゃんがおどけて「カポネ将軍、思いのままに」
『ところで社長、私一人で行くのですか?社長は工場の案内をしてくれないのですか?』
「大阪組は何も思わないけど、新人達は変な目で見るよ、」
『新人達には金曜日に帰ってくるようにいいます、後はトンちゃんとミキちゃんがうまく隠してくれます、ね!』
トンちゃんが仕方なさそうに『いずれにしても一人旅は危険、昔のチーフのような目にあったら大変だから、やっぱり用心棒はいるわね~』
「将軍様のお供で旅行するなんて緊張します、」
『嬉しくて今日から寝れそうもありません』
「私も恐怖で今日から寝れません」
『社長、おそったりしないから心配しないでください』
トンちゃんが羨ましそうに『わたくしだったら分からないよ、なんせミルクビンを大阪に捨ててきて、喉が渇いているもん』
先日の会議を思い出して4人とも笑った。
トンちゃんが笑いながら「カポネ将軍はきっと立派なヒゲをお持ちでしょうね、」
『ダメよ私のひげはちょびヒゲよ、ゼネラルマネージャー様には負けるわよ、』
トンちゃんが悲鳴のような笑い声で「将軍様には太い葉巻がお似合いよ」
私は情けそうな声で、「私は葉巻と言うよりつまようじです、将軍様にはお役に立ちません」
ミキチャンが真っ赤な顔してボソッと『カポちゃんの下の口は歯が生えているからキットつまようじが必要よ」といったので皆火がついたように笑い転げた。
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