« 2008年1月 | トップページ | 2008年3月 »

トライアングル   9

(冗談は会社の潤滑油であるからの続き

相続ゲーム
©株式会社メディコス・エンタテインメント
提供:@niftyコンテンツ

その晩チーフのマンションに電話を入れる、「今晩はそちらに行きません、皆に嘘を言った手前,気が引けて、行きにくいです、明日一度北海道に帰ったらどうですか、そのほうが私も気が休まります」

『分かりました明日帰ります』

「帰ってきたら電話ください、向こうではゆっくりして命の洗濯でもしてきてください、連絡はパソコンにメールください、来週から中国の工場に出張します、当分会えませんが、お元気で、」

『中国から帰ってきたら必ずマンションに来て下さい』

「再来週には必ずいきます」と言って電話を切った。

チーフの悲しそうな、声に何故かイラツキをおぼえた。月曜日、会議の後カポネとトンちゃんミキちゃんを残してこれからの打ち合わせに入る。

大体の手順について割り振りを決める、新人も以外に優秀な人材が集まったようで安心していると告げると、カポネは鋭い顔で私を見て、直ぐにトンちゃんの方を見直して「チーフはあまりにも優しすぎた、あれでは人は育たない、」

トンちゃんが怪訝そうな顔で『最近の子は怒ってもダメよ、下手に怒るとやめちゃうわよ』

カポネがあきれたように、『会社の給料が安いと怒れなくなるがこの会社の給料はその辺の一流会社より高い,少々怒ったくらいで絶対やめない、もしやめても補充が直ぐにできるそのために給料を思い切って高くしたのよ、ねー社長」と言って私に同意を求めた。

「確かにカポネの言う通りだね、しかし私はそこまで考えていなかった、」

『じゃーどうしてこんなに給料を高くしたのよ』

「この会社は残業代がつかないから、残業込みの給料にしたの」

『でも誰もあまり残業しないじゃないの、』

「ところでカポネは何が言いたいの」

『トンちゃんとミキチャンに御願いしたい、私が居なくなったらこの会社に鬼軍曹がいなくなる、それではこの会社はもたない、トンちゃんは私以上の鬼軍曹になってください、人は怒られて成長します、新人達が成長しないと会社も大きくなりません、社長もやさしすぎます、』

私は思わずに軍人のように敬礼して「了解」、トンちゃんもおどけて「イエスサー」と敬礼した。カポネは大げさにため息をついて、『本当に私がいなくて大丈夫かしら』

「ところでカポネ将軍、今週でも中国の工場に視察に行ったらどうですか、」

『早いほうがいいので金、土と行って来ます』

「せっかく中国に行くなら勉強のために北京まで足を伸ばしてもいいですよ、観光を入れるなら、木曜日から行って日曜日にかえってこれるようにしたらどうですか」

『うれしー、私だけいい思いして申し訳ないです』とトンちゃんとミキチャンのほう見て、『いいかな~』

トンちゃんがおどけて「カポネ将軍、思いのままに」

『ところで社長、私一人で行くのですか?社長は工場の案内をしてくれないのですか?』

「大阪組は何も思わないけど、新人達は変な目で見るよ、」

『新人達には金曜日に帰ってくるようにいいます、後はトンちゃんとミキちゃんがうまく隠してくれます、ね!』

トンちゃんが仕方なさそうに『いずれにしても一人旅は危険、昔のチーフのような目にあったら大変だから、やっぱり用心棒はいるわね~』

「将軍様のお供で旅行するなんて緊張します、」

『嬉しくて今日から寝れそうもありません』

「私も恐怖で今日から寝れません」

『社長、おそったりしないから心配しないでください』

トンちゃんが羨ましそうに『わたくしだったら分からないよ、なんせミルクビンを大阪に捨ててきて、喉が渇いているもん』

先日の会議を思い出して4人とも笑った。

トンちゃんが笑いながら「カポネ将軍はきっと立派なヒゲをお持ちでしょうね、」

『ダメよ私のひげはちょびヒゲよ、ゼネラルマネージャー様には負けるわよ、』

トンちゃんが悲鳴のような笑い声で「将軍様には太い葉巻がお似合いよ」

私は情けそうな声で、「私は葉巻と言うよりつまようじです、将軍様にはお役に立ちません」

ミキチャンが真っ赤な顔してボソッと『カポちゃんの下の口は歯が生えているからキットつまようじが必要よ」といったので皆火がついたように笑い転げた。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

トライアングル   8

イミテーションでもいいから夫婦で居たいと,言った。)からの続き

数日経った後の金曜日、昼食後1時に会議室に全員集めた。「今日は皆様にお話しなければいけません」何事かと皆はいっせいに私に注視した、「実はチーフから話があって、チーフのお父様が脳出血で倒れました、今日彼女は急遽北海道に帰ります。当分は帰ってこれません。」

チーフは私の言葉を引きついて、『母の御願いで当分帰ってこれません、この会社にご迷惑をかけますから社長に辞職願を出しました。』

カポネがあわてて強い口調で『三ヶ月でも半年でも待つからなにもやめなくていい、あなたが帰ってくるまで、アメリカ行きはまちます』

チーフは落ち着いた口調で『父が病院から帰ってきても半身不随です、下の世話まで私がしなければいけません』

カポネが鋭く『そんなことは母親のすることでしょう、何故あなたがするのですか?』

チーフは少し言葉に詰まりながら、『母は三人の子供の世話で忙しくてそんなことは出来ません、それにこのことは父の希望です。』

トンちゃんが不思議そうなトーンで『子供はすでに大きいでしょう』

チーフは困惑しながら『父は二度目の結婚です、上の子はまだ11歳、その下に5歳と下はまだ一歳です』

チーフの話は私が聞いているのとはだいぶ違う、とっさに出た言葉だろうが、しかたがないがすこし違和感が沸いてきた。

トンちゃんが納得したように『なるほど、それじゃしょうがないね!』

チーフはこれ以上突っ込まれるとボロが出るので慌てて『飛行機の時間がありますので今日はとりあえずこのまま帰ります、落ち着いたらもう一度きます、ご迷惑をかけると思いますが、皆様会社のために頑張ってください、それでは社長、皆様失礼します』と言ってそそくさと出て行った。

チーフが出て行った後全員が私を見て私の言葉を待った「とりあえずことがことだけにどうしょうもない、そこでチーフの代わりをトンちゃんにしてもらいたい、」

トンちゃんが複雑な顔で、『緊急事態だから仕方がないが、あくまでチーフが帰ってくるまでのつなぎとして引き受けます」

「チーフは100%帰ってきません、彼女もその気がありません、今後はトンちゃん中心の体制を作らなくてはいけません、」

カポネが突然『私アメリカに行くのをやめます、』

「アメリカの社長テイムと約束しているいまさらカポちゃんを引き止めるなんて出来ない、新人達も育ってきているから大丈夫です」

『せめて一二ヶ月延ばします、7月の予定を9月に変更します、テイム社長には私から連絡を入れます』

「テイムさえ了解してくれれば会社としても助かります、テイムには常識として私から連絡を入れます」

カポネが思いつめたように『私はアメリカに行きますが、あくまでこの会社の出向としていきたい、それともう一つ、私は中国の工場を見たことがありませんアメリカに行く前にどうしても中国の工場に行かしてください』

「出向に関してはテイムとの約束ですからあくまで移籍で行ってください、中国出張は当然だと思います日にちを調整してなるべく早く行きましょう」

その後全員で抜けた後の役割分担を話し合った、相変わらずいなくなるカポネがみんなの分担をてきぱきと指図した。

トンちゃんは製造だけでなしに営業まで見なければならない、そこでミキちゃんにもトンちゃんを補佐してもらうことになった、トンちゃんをゼネラルマネージャー、ミキちゃんをマネージャーと言うことでとりあえずまとまった。

トンちゃんが心配そうな声で『ゼネラルマネージャーとチーフと何所が違うの?』

カポネが素早く「チーフよりゼネラルマネージャーの方が偉いのよ、日本語で部長の事よ!なんならヒゲでも生やす!」

トップの二人が抜けるので東京で採用した新人達がかなり緊張してきたみたい、全員が不安そうな顔が私を見ている。

「トンちゃんはすでにヒゲが生えている」

皆が怪訝そうな顔で私を見た、「心配しなくてもトンちゃんの下の口にはすでに立派なヒゲがあります」

一瞬、間があってからトンちゃんが素っ頓狂な声で『社長いやらしい、』

全員が笑った、私はしたり顔で「トンちゃんの下の口はヒゲは生えているがまだ歯が生えていません、子供です、」全員が悲鳴のような声で笑った。

経理のママが『トンちゃんの口は歯より先にヒゲが生えるなんて、おませな口ね~』

皆は身体をよっじて笑った。

ミキちゃんがいやらしそうな目で「トンちゃんの下の口に歯が生えてきたら、気持ち悪い」

トンちゃんが笑いながら怒りながら、『バカなことを想像しないでよ、失礼な!』

私はまたしてもしたり顔で「わが社のゼネラルマネージャーはまだまだ子供です、歯が生えるよりもまだまだミルクをほしがるベビーです。」

一瞬、誰も理解できなくて、経理のママが素早く『トンちゃんはミルクの一杯入った哺乳瓶を大阪に捨ててきたのよ、東京ではまだミルクが手に入らない、やっぱり歯が先ね!」

全員が理解して狂ったように悲鳴のような大笑いし始めた。トンちゃんも涙を流しながら『社長の変態、バカ、バカ、バカ』と隣のカポネの肩を小さく叩いた。

新人達の緊張を和らげることに成功したが、その後全員が仕事にならなかった、すでに5時を過ぎているから問題はないが、お互い顔を見合わせて何故かニヤニヤしてしまう、きっとトンちゃんのヒゲの口に歯が生えてきたことを想像しておもわずにやけてしまう。

なるべくトンちゃんと目が合わないようにしないと、つい笑ってしまいそうで、でも他の人と目が合ってもやっぱり笑ってしまう。

だんだん新人達の壁がなくなってきて会社もいい雰囲気になってきた。冗談は会社の潤滑油である。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2008年1月 | トップページ | 2008年3月 »